最終更新:2026年3月
「これだけやっているのに良くならない」——そう感じている方は少なくありません。
それはあなたの努力が足りないのではなく、「見えていない視点」があるからかもしれません。
かつて流行した○○ダイエットのように、「これさえすれば健康になれる」という考え方は今も根強く残っています。最近ではYouTubeやSNSに場を移し、「これだけやればOK」という情報が簡単に広まるようになりました。
しかし、一つの手段だけに頼る考え方は、解決が長引いたり効果が出にくくなる原因になります。何ヶ月も通って望む成果が出ない場合、「何かが足りていない」可能性が高いのです。
当院が重視しているのは、次の2つの観点です。
1つ目は、心と身体の同時アプローチ(セットケア)です。心に強いストレスや悩みを抱えていると、胃痛、不眠、倦怠感、動悸など、身体に不調として現れることは少なくありません。身体だけのアプローチでは限界があり、心も一緒に整える必要があります。
2つ目は、全体をつなぐ「総監督」的存在の介入です。整骨院、整体、整形外科、マッサージ——どれも専門的で優れていますが、患者さん本人が何をどう組み合わせるかを自力で判断しなければならないのが現実です。
世界には「PM&R(Physical Medicine and Rehabilitation)」という診療科が存在します。身体の回復と再生を総合的に監督する医師の専門領域であり、欧米では広く知られています。
しかし日本には、この「総監督」の視点を担う仕組みが存在していません。
厚生労働省のデータでも、男女問わず訴えの多い症状1位・2位は「肩こり」と「腰痛」。25年以上にわたり改善されていない背景には、PM&R的な視点の欠如が関係しているといえます。
スタンフォード大学スポーツ診療科では、選手1人に対して5〜6名の専門家が連携し、評価・治療を行っています。「誰か1人に任せる」ことを避けるのが特徴です。日本の「患者が自分で選ぶ」スタイルとは大きく異なる、理想的な連携医療の一例です。
日本にはPM&R診療科こそありませんが、当院ではその役割を担う「日本版PM&R」として、運動器の専門知識、心のケア、生活習慣改善を統合したトレーニングを提供しています。
身体だけでなく心の状態にも気づきを持ち、一人ひとりの生活や背景に寄り添ったアプローチを大切にしています。
身体の不調が続くとき、それは単なる運動不足や年齢のせいではないかもしれません。「心と身体のつながり」と「総合的に支えるチーム」という視点を、ぜひ取り入れてみてください。
やえこふクリニック
担当:Dr.EKO博士(医師・医学博士/整形外科専門医・産業医)
※本コラムは情報提供を目的としたものであり、医療行為・心理療法の提供を意図するものではありません。当院のプログラムは自己成長を目的としたメンタル思考トレーニングです。