最終更新:2026年3月
「本当に安全なの?」——整体やカイロを受けてみたいけれど不安に思う方からの質問が増えています。
整体やカイロは医療行為ではなく「医業類似行為」に分類されます。国家資格系の施術所は全国で38,000件以上、民間資格系を含めると都市部では数十メートルごとに院が並ぶほど身近な存在です。だからこそ「受けても大丈夫?」という質問が非常に多いのです。
整形外科専門医としての答えは、「信頼できる、経験豊富な施術者を選ぶこと」です。
私が過去に担当した症例をお話しします。
50代男性が五十肩のため整体院に通っていたところ、力強い施術により骨折が発生しました。私はその患者さんの手術を担当し、幸い回復は順調でしたが、その後訴訟に発展し「施術が強引であった」と認定されました。
このように、整体やカイロの施術によって事故や怪我が生じるケースは国民生活センターにも多数報告されています。
代表的なリスクとしては、腰や背中の骨折、頚椎施術による神経・脊髄損傷、施術後の腰痛悪化や痺れ、慢性的に続く障害などがあります。特に「頚椎スラスト法(急激に首をひねる手技)」は厚生労働省も危険性を指摘し、禁止対象としています。
これまで本当に多くの治療家と出会いました。多くの施術者は真摯に学び、患者を救いたいという志を持っています。
では、なぜトラブルがなくならないのか。
理由の1つに、日本では医療との連携体制が不十分で、施術者が孤立した判断をせざるを得ない状況が挙げられます。孤独さが事故につながるのではないかと考えています。
スタンフォード大学病院のPM&Rスポーツ診療部では、医師と治療家が検査結果を共有し、安全に施術を行う仕組みが整っていました。日本ではまだその仕組みが整っていませんが、医療と施術の連携が理想的だと確信しています。
日本で整体やカイロを受ける際は、以下を守ることをおすすめします。
信頼できる経験豊富な先生を選ぶこと。強い施術を希望しないこと。痛みや違和感を覚えたら中止すること。必要に応じて医師の診察や画像検査を受けること。そして、自分の体を安易に預けすぎないことが大切です。
整体やカイロは効果を感じる方も多い一方で、リスクも存在します。安全に活用するには、施術者選びと自己管理が欠かせません。
引用元:
・厚生労働省「手技による医業類似行為の危害」
・国民生活センター「整体マッサージで腰を痛めた」
やえこふクリニック
担当:Dr.EKO博士(医師・医学博士/整形外科専門医・産業医)
※本コラムは情報提供を目的としたものであり、医療行為・心理療法の提供を意図するものではありません。当院のプログラムは自己成長を目的としたメンタル思考トレーニングです。