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整体やカイロを受けてみたいけれど、「本当に安全なの?」と不安に思う方からの質問が増えています。整形外科専門医として臨床現場で怪我の症例を担当してきた経験から、注意点と安全な選び方を解説します。
整体やカイロは医療行為ではなく「医業類似行為」に分類されます。
国家資格系の施術所は全国で38,000件以上、民間資格系を含めると都市部では数十メートルごとに院が並ぶほど身近な存在です。
だからこそ「受けても大丈夫?」という質問が非常に多いのです。
大切なのは「信頼できる、経験豊富な施術者を選ぶこと」。万が一トラブルが起きても後悔しない選択をすることが重要です。
万が一不具合が出ても、あなたが後悔しない選択をしてください。なぜなら整体やカイロは医療行為ではなく「医業類似行為」に分類されます。医師とは資格や責任の範囲が異なるため、受ける際には「信頼できる、経験豊富な先生」を選ぶことがとても重要です。
実際に、整体施術で骨折が生じ訴訟に発展した事例もあります。国民生活センターにも多数のトラブル報告があり、施術の安全性は施術者の技量と判断力に左右されます。
50代男性が五十肩のため整体院に通っていたところ、力強い施術により骨折が発生しました。
私はその患者さんの手術を担当し、幸い回復は順調でしたが、その後訴訟に発展し「施術が強引であった」と認定されました。
このように、整体やカイロの施術によって事故や怪我が生じるケースは国民生活センターにも多数報告されています。この経験から、施術の安全性は「施術者の技量」と「適切な判断」に大きく左右されると実感しています。
代表的なリスクには、
腰や背中の骨折
頚椎施術による神経・脊髄損傷
施術後の腰痛悪化や痺れ
慢性的に続く障害
特に「頚椎スラスト法(急激に首をひねる手技)」は厚生労働省も危険性を指摘し、禁止対象としています。
これまで本当に多くの治療家と出会いました。そこで感じたのは、多くの施術者は真摯に学び、患者を救いたいという志を持っていること。
それではなぜ、トラブルがなくならないのか?
理由の1つに、日本では医療との連携体制が不十分で、施術者が孤立した判断をせざるを得ない状況が挙げられます。孤独さが事故につながるのではないかと考えています。
スタンフォード大学病院のPM&Rスポーツ診療部では、医師と治療家が検査結果を共有し、安全に施術を行う仕組みが整っていました。
定期的なフィードバックと学び合いの場も整っており、まさに理想的な連携システムでした。日本ではまだその仕組みが整っていませんが、医療と施術が連携が理想的と考えます。
「トラブルの予防」だけに焦点を合わせるのなら、海外のように医療類似行為と医療は連携すべきと思います。海外で暮らしてみて、これは連携なしに理想郷は実現できないと痛感しました。
日本で整体やカイロを受ける際は、以下を守ることをおすすめします。
信頼できる経験豊富な先生を選ぶ
強い施術を希望しない
痛みや違和感を覚えたら中止する
必要に応じて医師の診察や画像検査を受ける
自分の体を安易に預けすぎないことが大切です。
整体やカイロは効果を感じる方も多い一方で、リスクも存在します。
安全に活用するには、施術者選びと自己管理が欠かせません。
自分の体を大切に扱い、正しい知識を持つことが健康を守る第一歩です。
少し難しい内容でしたが、このテーマを「我が事」として深く考えることは、自分自身の健康管理の一環として非常に有意義だと考えます。自己理解を深める上でも大いに価値があると感じています。
EKOフィジカルは、単なる体操教室ではなく、外科医師の知見を活かした“自分で整える・強くする・優しくする力”を育むためのプログラムです。
まずは初回面談にて、あなたの現在地を確認し、最適な一歩をご提案いたします。